はじめに|サブ3.5は市民ランナーの大きな壁
フルマラソンで3時間30分を切る——それは、市民ランナーにとって大きな目標であり、挑戦です。1kmあたり4分58秒前後のペースで42.195kmを走り切る必要があり、単なる完走とは一線を画した「戦略的かつ継続的なトレーニング」が求められます。
この記事では、サブ3.5を目指すあなたに向けて、練習の考え方から週ごとのメニュー、レース前の調整までを徹底解説。継続すれば、確実に結果につながる構成となっています。

38歳3児のパパランナー。
2011年に現役を引退。地元に戻り、香取小江戸マラソンや地域イベントにも積極的に参加。会社員をしながら市民ランナーとして活動。YMD NEXT×RUNの指導をオンライン中心に展開中。
【実績・経歴】
・山田中学校
県大会優勝、県駅伝優勝
・市立船橋高校 (体育科専攻)
県大会優勝、インターハイ出場
・駒澤大学 (文学部心理学科専攻)
2009年箱根駅伝第4区出場、関東インカレ決勝進出
・富士通
大田原マラソン第3位、パリマラソン17位(アジア1位)
第1章|サブ3.5達成に必要な走力とは?
●目標ペースの再確認
- 3時間30分=210分
- 1kmあたり:約4分58秒
- サブ3.5を達成するには、4’55〜5’00/kmで安定して走る力が必要。
●現状の基準タイム(目安)
以下はサブ3.5を狙うにあたり、準備段階としてクリアしておきたい指標です:
距離 | ターゲットタイム |
---|---|
5km | 22分以内 |
10km | 45分以内 |
ハーフ | 1時間40分以内 |
月間走行距離 | 250〜300km |
第2章|年間計画の立て方|逆算で見える道筋
マラソンの成功は「逆算思考」から。以下のように月単位でテーマを決めて進めていきます。
月 | テーマ | 補足 |
---|---|---|
4〜5月 | 基礎走力の養成 | ジョグ+ビルドアップで心肺&脚力 |
6〜7月 | スピード強化 | インターバルやペース走中心 |
8〜9月 | 距離への適応 | 20〜30km走で脚を作る |
10〜11月 | 実戦ペース習得 | レースペースで走る力を磨く |
12月 | テーパリング | 調整期&本番 |
第3章|週間練習メニューの基本構成
サブ3.5を目指す場合、週5日以上の練習が望ましいです。以下は「標準的な週」の練習例です。
【標準的な1週間メニュー】
曜日 | 内容 | 目的 |
---|---|---|
月 | 休養またはジョグ5〜8km | 疲労抜き |
火 | ペース走(10〜12km @4’55/km) | レースペースに慣れる |
水 | ジョグ(8〜12km)+WS3〜5本 | 回復と脚づくり |
木 | インターバル(1km×5本@4’10) | VO2max強化 |
金 | 休養またはジョグ(30分) | 回復 |
土 | ロング走(20〜30km @5’10〜5’20/km) | スタミナ養成 |
日 | ジョグ10〜15km | 疲労抜き&つなぎ |
※各期で調整あり。以下で詳述します。
第4章|フェーズ別:3ヶ月ごとの練習戦略
◆フェーズ1:基礎期(4〜6月)
目的:走る土台作り/体をマラソン仕様に慣らす
- ジョグ中心(キロ6分〜5分30秒)
- ビルドアップ走(10km→最後は4’30/km)
- LSD(90分〜120分)
ポイント練習例:
- ペース走8km(5’00/km)
- 坂道ダッシュ(200m×6〜8本)
◆フェーズ2:スピード養成期(6〜8月)
目的:スピード持久力を伸ばす/中距離的要素を追加
- インターバル1km×5〜6(4’10/km)
- 10kmレース参戦で刺激を入れる
- 坂ダッシュ or タバタ系スプリント
補助練習:
- 補強(体幹、スクワット、ランジ)
- プライオメトリクス(ジャンプ系)
◆フェーズ3:持久力強化期(9〜10月)
目的:脚をつくる/30km走耐性を身につける
- 週1で25〜30km走(5’15/km〜5’30/km)
- ビルドアップ走15km(6’00→4’45/km)
- クロスカントリー走で筋持久力アップ
◆フェーズ4:仕上げ期&調整(11月〜レース直前)
目的:ペース感覚の確認/疲労を残さず仕上げる
- ペース走12〜15km(4’55/km)を軸に
- テーパリング:2週間前から距離を落とす
- レース1週間前:10km(5’10/km)で最終確認
第5章|走力別のアレンジ例
初心者〜サブ4達成者からのステップアップ
- ロング走は20kmから始め、徐々に30kmへ
- ペース走は5’15/km→5’00/kmと段階的に
- 休養日は2日以上確保してもOK
中級者(10km45分以内)向け
- ビルドアップ走を頻繁に取り入れる
- 週末の30km走は2週に1回
- クロス練習(バイク・水泳)も効果的
第6章|レース直前1ヶ月の過ごし方
- 30km走→20km→10kmと距離を徐々に減らす
- 補給食のテストもこの時期に
- ウェア、シューズも本番と同じ物で試走
第7章|サブ3.5達成に必要な補助要素
●食事・補給の工夫
- 朝食:おにぎり・バナナ・エナジージェル
- レース中:15km・25kmで補給
●睡眠と休養
- 6時間以上の睡眠確保
- 週1〜2回の完全休養日(心のリセット)
●メンタル強化
- 30kmの壁を「練習で体験しておく」
- 1kmごとのラップチェックで集中力維持
第8章|おすすめ練習法・ツール
- GPSウォッチ(Garminなど)
- 心拍数管理(ゾーン3〜4がメイン)
- トレーニングアプリ(Strava, Garmin Connect)
おわりに|努力の積み重ねが結果を変える
サブ3.5を目指す道のりは、決して楽ではありません。しかし、正しい戦略と努力の積み重ねがあれば、確実に近づくことができます。毎日の一歩が、やがて自己ベストというゴールへと導いてくれるでしょう。
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