マラソンや陸上競技において「練習しているのに伸びない…」という声はよく聞かれます。
努力をしているのに結果が出ないと、モチベーションは下がりますよね。
しかし、そこで立ち止まってしまう前に必要なのが“振り返りと修正”です。
つまり、PDCAサイクルの「C=チェック」と「A=アクション」を回せているかどうか。
これが、ただがむしゃらに走るランナーと、成長し続けるランナーの分かれ道になります。

38歳3児のパパランナー。
2011年に現役を引退。地元に戻り、香取小江戸マラソンや地域イベントにも積極的に参加。会社員をしながら市民ランナーとして活動。YMD NEXT×RUNの指導をオンライン中心に展開中。
【実績・経歴】
・山田中学校
県大会優勝、県駅伝優勝
・市立船橋高校 (体育科専攻)
県大会優勝、インターハイ出場
・駒澤大学 (文学部心理学科専攻)
2009年箱根駅伝第4区出場、関東インカレ決勝進出
・富士通
大田原マラソン第3位、パリマラソン17位(アジア1位)
PDCAとは何か?ランナー視点でわかりやすく解説
▷ P=Plan(計画)
- 月間300km走る
- 週2回のポイント練習
- 10月にハーフでPBを狙う
などの「目標」や「スケジュール」を立てること。
▷ D=Do(実行)
実際の練習やレース参加、日々のジョグや補強など「行動」です。
▷ C=Check(評価・振り返り)
- 実際に月間走行距離は達成できたか?
- ポイント練習の達成率は?
- 疲労が溜まりすぎていなかったか?
- レースで狙ったペースを維持できたか?
これらを客観的に見ていくこと。
▷ A=Action(改善・修正)
- ポイント練習の内容や頻度を見直す
- スケジュールの調整
- コンディショニング方法の改善
など、次の計画に活かすことが「成長」につながります。
なぜ振り返りが重要なのか?
振り返りをしないと、同じミスを繰り返してしまいます。
- いつも30km走で後半失速する
→ ペース配分?補給?疲労の蓄積? - レース前に風邪をひいてしまう
→ 休養や食事管理が甘かった?
答えは日々の練習日誌や体調の記録の中にあります。
実際のPDCA活用事例
例1|Aさん(市民ランナー・サブ4挑戦中)
P:月間200km、週1回のインターバル走でスピード強化
D:実行できたが、常に400mインターバルしかやっていなかった
C:10kmレースで後半の粘りがきかず失速
A:1000mや2000mのインターバルに切り替え、スピード持久力を補う計画へ修正
例2|Bさん(高校陸上部・1500m選手)
P:月6回ペース走でスタミナ養成
D:5回までは実行できたが、うち2回は途中でペースダウン
C:疲労が蓄積していて心拍が高く、フォームも崩れ気味だった
A:リカバリー重視の週を作り、メリハリあるスケジュールに改善
振り返りに役立つ3つのツール
① 練習日誌
YMD NEXT RUNでも推奨している「見える化」の基本。
数値(距離・時間・心拍など)+主観(きつさ・気分・睡眠)をセットで。
練習日誌について、この記事もどうぞ!
▶ランナーの練習日誌の書き方|パフォーマンス向上と継続の秘訣を徹底解説!
② GPSウォッチやアプリ(Garmin, Stravaなど)
走ったコースやラップ、心拍のデータから「体の声」を見逃さない。
③ 定期的なカウンセリングやコーチとの面談
自分では見逃しがちな「思考のクセ」「フォームのブレ」を第三者が指摘してくれる貴重な機会。
よくある振り返りの落とし穴
× 反省ばかりして落ち込む
→ 振り返りは「改善点」と同時に「うまくいったこと」も見つけましょう。
× 記録をつけるだけで終わる
→ 読み返し、次の行動に活かしてこそ意味がある。
× 毎回やり方を変えてしまう
→ 効果を確認するには「ある程度の継続と検証」が必要です。
自己ベストを更新するランナーの共通点
- 練習を記録している
- レース後に振り返りをしている
- 結果に一喜一憂せず、データとして分析するクセがある
これらは決して才能ではなく、「習慣」です。
YMD NEXT RUNの指導方針にも通じる「修正力」
YMD NEXT RUNでも、選手一人ひとりに合わせて、定期的な振り返りを実施しています。
✅ うまくいった練習は継続
✅ 苦手だった内容は、原因分析→練習メニューで補う
✅ 自分に合ったペース配分や補給のタイミングも見直す
こうした積み重ねが、確かな成長に繋がっています。
まとめ|成長とは「振り返って、また一歩進むこと」
ただ頑張るだけでは、どこかで限界が来ます。
「うまくいかなかった原因は?」「どう改善するか?」と自問しながら進むランナーは、必ず伸びます。
PDCAは、ビジネスだけのものではなく、ランナーこそ活用すべき成長ツールです。