【完全版】ランナーの食事は何を食べるべき?走力別・栄養戦略を徹底解説

目次

【目次】

  1. ランナーにとっての食事とは何か?
  2. 栄養素の基礎知識(炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラル・水分)
  3. 目標別食事戦略(減量・スタミナ向上・スピード向上)
  4. 練習前後の食事タイミングと内容
  5. レースに向けたカーボローディング完全解説
  6. レース当日の食事と補給
  7. 練習量・走力別の食事例(初心者〜サブ3まで)
  8. よくあるNGパターンと食事改善のポイント
  9. サプリメント・プロテインの正しい使い方
  10. 実際の1週間メニュー例
  11. 食事管理の方法(アプリ・記録・可視化)
  12. 疲労回復・免疫強化・怪我予防につながる食事
  13. 季節・環境別の注意点(夏・冬・暑熱順化など)
  14. 女性ランナー向け食事の工夫
  15. よくあるQ&Aと食事の継続のコツ
  16. まとめ|走力を伸ばす「習慣」としての食事

38歳3児のパパランナー。

2011年に現役を引退。地元に戻り、香取小江戸マラソンや地域イベントにも積極的に参加。会社員をしながら市民ランナーとして活動。YMD NEXT×RUNの指導をオンライン中心に展開中。

【実績・経歴】

・山田中学校

 県大会優勝、県駅伝優勝

・市立船橋高校 (体育科専攻)

 県大会優勝、インターハイ出場

・駒澤大学   (文学部心理学科専攻) 

 2009年箱根駅伝第4区出場、関東インカレ決勝進出

・富士通

大田原マラソン第3位、パリマラソン17位(アジア1位)

1. ランナーにとっての食事とは何か?

ランナーの食事は「栄養を摂るための行為」ではなく、「パフォーマンスを最大化するトレーニングの一環」として位置付けるべきです。食べる内容、量、タイミングは、走る内容と同じくらい重要です。

  • 疲労回復
  • 筋肉の修復と成長
  • エネルギー維持
  • 免疫力の維持
  • レースパフォーマンス向上

これら全てが、食事の設計によって左右されます。


2. 栄養素の基礎知識

炭水化物(糖質)=エネルギーの主役

  • 筋肉や肝臓にグリコーゲンとして蓄積
  • 持久走では“ガス欠”防止に不可欠
  • 摂取源:ご飯、パン、パスタ、果物、芋類

タンパク質=筋肉の材料

  • トレーニング後の筋肉修復に不可欠
  • 摂取源:鶏肉、魚、大豆製品、乳製品、卵

脂質=長時間の運動エネルギー

  • ランナーは適度な脂質も必要(脂質制限は逆効果)
  • 良質な脂:ナッツ、アボカド、青魚、オリーブオイル

ビタミン・ミネラル=調整役

  • 鉄分不足 → 貧血、持久力低下
  • ビタミンB群 → エネルギー代謝の要
  • カルシウム・ビタミンD → 骨強化
  • 摂取源:野菜、海藻、魚、キノコ類、レバー

水分・電解質=体温調節と代謝促進

  • ランニング中は1時間で1リットル近く汗をかくことも
  • ナトリウム・カリウム補給も意識

✅詳しくはこの記事もどうぞ!

ランナーのための栄養素の基礎知識|走りを支える6つの必須成分とは?


3. 目標別の食事戦略

減量したいランナー向け

  • 摂取カロリー<消費カロリー
  • でも糖質は減らしすぎない(ガス欠の元)
  • 高タンパク・低脂質が基本
  • 食事タイミングを一定にして間食を計画的に

スタミナをつけたいランナー向け

  • 炭水化物を意識的に多めに摂る
  • 食物繊維を摂りすぎると消化不良に注意
  • 鉄分・ビタミンCで酸素運搬能力向上

スピードを上げたいランナー向け

  • 筋合成を助けるためにトレ後30分以内のタンパク質摂取
  • クレアチンやBCAAの導入も検討

4. 練習前後の食事タイミングと内容

時間帯内容と目的食事例
練習3時間前軽めの炭水化物中心、脂質は控えるおにぎり+バナナ、エネルギーゼリー
練習直後(30分以内)糖質+タンパク質をゴールデンタイムに摂取牛乳+プロテイン、納豆ごはん、バナナ
練習3時間後通常の食事+野菜でバランスよく鶏胸肉の定食+味噌汁+ご飯+青菜の和え物

5. レースに向けたカーボローディング

1週間前〜3日前

  • トレーニングを軽めにし、徐々に炭水化物を増やす
  • 水分と塩分も意識
  • 白米、うどん、フルーツゼリーなどを中心に

前日

  • 炭水化物は最大化、でも脂質と食物繊維は控えめ
  • 例:うどん+卵、食パン+ハチミツ+ヨーグルト

詳しくはこの記事もどうぞ!!

▶レース直前のカーボローディングとは?|やり方・タイミング・NG例を徹底解説!


6. レース当日の食事と補給

  • スタート3時間前: 白米おにぎり2個+バナナ+味噌汁
  • スタート30分前: エネルギージェル+スポーツドリンク200ml
  • レース中(30km以降): ジェル1個+水(給水所で)

7. 練習量・走力別の食事例

初心者(週3回走る人)

  • 食事で無理に糖質制限せず、間食や夜食の内容を見直す
  • 朝:ご飯+納豆+味噌汁、昼:パスタ+野菜、夜:魚+ご飯+サラダ

中級者(サブ4〜3.5)

  • 高タンパク・高炭水化物+ミネラル意識
  • 間食にプロテインバー・ゼリーを活用

上級者(サブ3〜2.5)

  • グリコーゲンローディングの知識を活用
  • 食事量が多くなるため「消化に良い」ことも重要
  • 鉄分補給と抗酸化食品(ビタミンC・E)を意識

8. よくあるNGパターンと改善例

NG食習慣改善アドバイス
ラーメン・揚げ物が多い消化の良い主食+脂質控えめに
夕食が遅くてドカ食い小分けにして19時前後に軽く摂取
朝食を抜いている走る日は特に、糖質+タンパク質を摂取

9. サプリ・プロテインの正しい使い方

ランナーにとってプロテインやサプリは、栄養を“補う”手段基本は食事で栄養を摂り、不足時に活用しましょう。トレーニング後はホエイプロテインを30分以内に摂ると筋肉の修復を助けます。強度の高い練習前後にはBCAAやEAAが有効。女性は鉄分+ビタミンCで貧血対策も。大事なのは「必要なときに、必要な量だけ」。サプリに頼る前に、まずは食生活の改善を意識しましょう。

  • プロテイン: トレ後30分以内+朝食代わりにも活用
  • 鉄サプリ: 医師と相談の上、女性ランナーにおすすめ
  • BCAA/EAA: 強度の高いトレーニング時の回復支援

✅サプリメントについて、詳しく知りたい方はこの記事もどうぞ!

▶ランナーのためのサプリメント・プロテイン完全ガイド|必要な栄養素と選び方

10. 1週間分の食事メニュー例

1週間分の食事メニューのモデルです。練習の内容(jogやスピード練習、距離走)によって食事の量や内容は調整します。

朝食昼食夕食
月曜日ご飯、納豆、卵焼き、味噌汁、バナナ鶏胸肉と野菜の炒め物、玄米、味噌汁焼き鮭、大根サラダ、雑穀ごはん、豆腐の味噌汁
火曜日パン、ゆで卵、ヨーグルト、りんご、牛乳豚の生姜焼き、白ごはん、キャベツの千切り、味噌汁麻婆豆腐、青菜のナムル、ご飯、わかめスープ
水曜日おにぎり(梅・鮭)、味噌汁、キウイサバの味噌煮、ひじき煮、玄米、味噌汁鶏団子鍋(白菜・豆腐・春菊)、うどん
木曜日トースト、目玉焼き、ベーコン、ヨーグルトチキンカレー、サラダ、フルーツブリの照り焼き、小松菜のお浸し、麦ごはん、味噌汁
金曜日雑穀おにぎり、味噌汁、温泉卵、みかん牛丼、味噌汁、青菜炒め白身魚のムニエル、ポテトサラダ、玄米、コンソメスープ
土曜日バナナ、ヨーグルト、オートミール、ナッツ冷やしうどん(鶏肉・ねぎ・卵)、果物豚しゃぶサラダ、雑穀ごはん、味噌汁
日曜日ホットケーキ、スクランブルエッグ、ミルク焼き魚定食(さば・ごはん・味噌汁・漬物)豆腐ステーキ、野菜炒め、ご飯、味噌汁

11. 食事管理の方法

食事の管理は、現状を把握し、改善ポイントを見つける第一歩です。多くのランナーが「食べてるつもり」「バランスよくしているつもり」になりがちですが、記録することで初めて“実態”が見えてきます。

おすすめアプリ:

  • あすけん(日本語、使いやすく食材登録数も豊富)
  • MyFitnessPal(英語中心だがトレーニングとの連携が強い)
  • カロミル(シンプルな日本語UI)

ポイント:

  • 体重・摂取カロリー・PFC(たんぱく質・脂質・炭水化物)バランスを確認
  • 特に「タンパク質不足」と「脂質過多」が見えやすくなる

方法2:写真で記録

  • 毎食スマホで撮影してGoogleフォトやLINE Keepに保存
  • 週末に見返してバランスや食べ過ぎをチェック

方法3:ノートに簡単記録(アナログ派向け)

  • 朝・昼・夕・間食をそれぞれ手書きで記録
  • トレーニング日誌と一緒にまとめると効果的

12. 疲労回復・免疫力強化の食事

疲労回復を助ける食材と栄養素

栄養素効果食材例
クエン酸乳酸の分解を助ける梅干し、酢、柑橘類、黒酢ドリンク
ビタミンB群エネルギー代謝を促進豚肉、納豆、レバー、卵
タンパク質筋肉の修復・合成鶏肉、魚、豆腐、卵、プロテイン

免疫力を保つ食習慣

  • 腸内環境を整える: ヨーグルト、納豆、キムチなど発酵食品を毎日
  • ビタミンC: ピーマン、ブロッコリー、いちご、柑橘類で毎日100mg以上
  • 鉄分: 特に女性は月経時に貧血注意。レバーや赤身肉+ビタミンCで吸収促進

✅詳しくはこの記事もどうぞ!

▶疲労回復・免疫力強化に効く食事術|走り込み期・レース後・体調不良予防にも!

13. 季節・環境別の注意点

夏(高温多湿)

  • 水分+電解質の補給が最優先
    • 練習30分前から水またはスポーツドリンクで500ml程度摂取
    • ナトリウム入りタブレットや梅干しも有効
  • 冷たいものを摂りすぎると内臓が冷えてパフォーマンス低下

冬(寒冷時期)

  • 温かい汁物・鍋料理で体温維持
    • 味噌汁・スープは一日1〜2回を習慣に
  • 乾燥による風邪予防に粘膜保護食品を
    • ビタミンA(人参・かぼちゃ・レバー)

合宿や遠征時

  • コンビニ食中心になるなら…
    • 主食+サラダチキン+味噌汁+ゆで卵など、組み合わせを工夫
  • 外食では脂質・塩分が増えるため、帰宅後に調整を意識

14. 女性ランナー向けの工夫

貧血予防は最優先課題

  • 鉄分+ビタミンCの組み合わせで吸収UP
    • 例:レバー+小松菜+オレンジジュース
  • 月経による鉄損失は「通常時の2倍以上」にも
  • サプリで補うならヘム鉄+葉酸タイプを推奨(医師と相談を)

✅詳しくはこの記事もどうぞ!

▶女性ランナーのための食事術|貧血予防・ホルモン対策・美容と走力の両立まで完全解説!

ホルモンバランスに応じた食事

タイミング体の変化食事の工夫
月経前むくみ・疲れやすさ塩分控えめ、鉄分強化、イライラ対策にMg食品(ナッツなど)
排卵期代謝が上がる炭水化物をやや増やしてもOK
月経後安定期ハード練習のタイミング。PFCバランス重視

15. よくあるQ&A

Q1. 糖質を摂りすぎると太りますか?
→ 運動量に対して適切なら太りません。問題は「脂質と一緒に高糖質を摂ること」。炭水化物単体で摂る(例:おにぎり、うどん)方が太りにくい。

Q2. 朝食は抜いてもいいですか?
→ 基本的にはNG。特に朝練のある日は“脳と筋肉の燃料”が不足し、パフォーマンスも怪我リスクも高まります。バナナやプロテインドリンクだけでも摂りましょう。

Q3. プロテインって必要ですか?
→ タンパク質を食事で充分摂れていれば不要ですが、忙しい朝やトレ後すぐのタイミングに“補助”として非常に有効です。

Q4. 外食ばかりになってしまう時の対策は?
→ コンビニや外食チェーンでも以下を意識:

副菜:野菜スープ、味噌汁、ゆで卵、海藻

主食:おにぎり、ごはん

主菜:焼き魚、サラダチキン、卵料理


16. まとめ|「食べる」ことは「走る」ことと同じくらい大事

ランナーにとっての食事とは、単なる日常習慣ではなく、トレーニングの一部であり、自己管理の要です。

  • 良い練習は良い食事から
  • 疲れを残さない食事が継続の鍵
  • 結果を出す人は、食事の質とタイミングを大切にしている

完璧である必要はありませんが、「今日は走るから炭水化物を増やそう」「疲れているからタンパク質を意識しよう」という小さな工夫が、日々の成長につながります。

走るだけでなく、食べることも強くなる一歩。この記事をきっかけに、あなた自身の「ベストな食事習慣」を見つけてください。

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